2018年04月20日
【アジア】台湾ファミリーマート店舗でデジタル技術を活用した実証実験開始
台湾ファミリーマートと、富士通および台湾富士通や現地のベンチャー企業などは、共同で、台湾ファミリーマート重慶店において、ロボットやブロックチェーンなどのデジタル技術を活用して、店舗への集客向上および店員の業務負荷軽減に向けた実証実験を開始した。この実証実験で、富士通と台湾富士通は、コミュニケーションロボット「ロボピン」(※1)を活用した店舗案内や可視光通信を利用したコンテンツ配信サービス「FlowSign Light」(※2)、映像通信ソリューション「FlowSign Video」(※3)およびブロックチェーン技術(※4)を用いたスタンプラリーなどを実施し、新たな顧客体験を提供する。また、3Dカメラ付きの入店カウンターによる来店客数の把握やPOSレジと連携した電子棚札の自動更新など、店舗における作業プロセスの最適化や運営コスト削減の有効性を検証する。
店頭に設置した富士通の「ロボピン」が来店客に対して、お買い得商品の紹介や店内での実施イベントで利用するアプリの案内を行い、「Fami舞」などのパフォーマンスも披露する。
また、富士通の「FlowSign Light」を活用して、来店客が店舗内を巡り、専用アプリをインストールしたスマートフォンを「ロボピン」などの対象物にかざすことで、スタンプが取得できるスタンプラリーを実施する。さらに、富士通のブロックチェーン技術と組み合わせ、スタンプ取得履歴やクーポン利用履歴などの顧客情報を管理し、スタンプ数に応じてファミリーマートで利用できるクーポンを発行する。
あわせて、透明ディスプレイが搭載された冷蔵庫(LWO Technology Co., LTD製)の扉に、庫内商品に関連する映像コンテンツを映し出し、来店客の購買行動における新たな顧客体験を演出するとともに、富士通の「FlowSign Video」を活用して、専用アプリをインストールした来店客のスマートフォンを冷蔵庫の扉に映る映像コンテンツにかざすことで、スタンプを取得することができる。
商品の陳列棚には、電子棚札(SES-imagotag SA.製)を設置し、POSレジと連携した柔軟な値札変更を実現する。電子棚札に内蔵されたQRコードやNFC(※5)を通して商品の生産履歴やキャンペーンなどの情報を提供する。
店舗の入り口には、3Dカメラ搭載の入店カウンター(FLIR Systems, Inc.製)を取り付け、入店者数の情報を収集・蓄積することで、店舗の売上分析や人員配置の最適化などに活用できる。
3社は、同実証実験での検証結果をもとに、ソリューションの機能強化や他店舗への横展開を検討していく。また、デジタル技術を活用した次世代店舗のモデルづくりを推進し、今後、AIや手のひら静脈認証などを活用した新たな取り組みについて、共同で検討していく。
※1 ロボピン
富士通研究所が開発したコミュニケーションロボット。首、各腕、胴体の根本部分にモーターを配置し、体全体を使ったダイナミックな動きを実現し、顔のLEDの色と連動して感情の表現も可能
※2 FlowSign Light
富士通研究所のLED情報伝達技術を用いてLEDの光に情報を埋め込み、スマートデバイスをその光に照射された対象物にかざすことで、ユーザーに情報が提供されるサービス。専用アプリをダウンロードしたスマートデバイスを対象物にかざすことで、直感的に関連情報を取得可能
※3 FlowSign Video
富士通研究所の映像媒介通信技術を用いて映像にリンク情報を埋め込み、スマートデバイスを映像にかざすことで、ユーザーを関連リンク先へ誘導できるサービス。専用アプリをダウンロードしたスマートデバイスをテレビやデジタルサイネージの映像にかざすことで、直感的に関連情報を取得可能
※4 ブロックチェーン技術
ネットワークに接続された複数のコンピュータが取引記録などを分散して共有し、相互に認証する仕組み。特定の管理者がいないため、改ざんやサイバー攻撃に強い
※5 NFC(Near Field Communication)
13.56 MHzの周波数を利用する通信距離10cm程度の近距離無線通信技術
※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です
投稿者:gotsuat 09:30| アジア