2015年09月11日
【物 流】全ト協 中小トラック運送事業者のためのリスク対策ガイドブックを公表
全日本トラック協会(以下、全ト協)は平成27(2015)年9月1日、自然災害、火災、重大事故などの、いかなる緊急事態が発生した場合でも、運送サービスを止めない、止まってしまったとしてもできるだけ短期間で復旧させるためにトラック運送事業者のBCP(Business Continuity Plan : 事業継続計画)の重要さを踏まえガイドブックを公表した。
全ト協は、BCPとは、経営資源の損害を最小限にとどめ、重要な事業の継続と早期の復旧を可能とするために、平時から行うべき対策や緊急時における対策、代替手段などを事前に取り決めたものと定義し、トラック運送事業者の場合はどのような準備をすれば良いのか以下のように述べた。
(1) 重要業務を軸として想像を巡らせる
・中小トラック運送事業者の重要業務を「受注」「運行管理」「配送」と3つに絞る。
(2) リスクの洗い出し
・(1)の業務ごとに必要な経営資源が使えないリスク
車両、燃料、通信手段、電源、経験や資格などが必要となる人材、データ、設備機器 など
・重要業務を中断させるリスク
災害などの発生により、「受注」「運行管理」「配送」の業務が中断するリスクを列挙
− 車両が水没して動かない可能性
− 道路が寸断・封鎖されて通常の配送ルートを使うことができない可能性
− パソコンが転倒・損傷して出荷指示データを取り出せない可能性 など
(3) 代替物や代替手段、事前対策、復旧対策の検討
・経営資源代替対策 (例:車両の損傷)
− 傭車の確保
− 緊急処理に応じてくれるメンテナンス業者の手配
− 他の荷主で使っている車両の一時的な融通 など
・経営資源代替対策 (例:給油施設被災)
− 平時、給油施設の複数の調達先から仕入れる
− 最低3日間程度の燃料備蓄
− 緊急支援物資輸送に備え、災害対応型給油所の場所を確認 など
(4)対等に優先順位をつける
・限られた時間の中で効果的、効率的に取り組むための優先順位をつける。
全ト協は、緊急救援物資輸送についての対応や、上記の様々なリスク対策を踏まえ、BCPの策定作業のポイントについて以下のようにまとめた。
・リスクの影響度の大きさや復旧の緊急度から判断し、優先順位をつける必要がある。
・PDCAを実行:(P) BCPをつくる→(D)社員に対して教育と訓練を行う。意識付けを行う→
(C)進捗状況を確認する→(A)計画をメンテナンス、更新する
・リスクを予見した教育・訓練の実施
・リスクを分散させる
・内部留保
・できることから取り組む など
※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です
投稿者:gotsuat 07:40| 物流事業者