【流通】凸版印刷 ICタグ用のアンテナを紙器へ直接製造する技術を開発
--- 国内初 加工・取り付けの手間やコストを大幅に削減 ---
凸版印刷は、国内で初めてUHF帯ICタグ用のアンテナを、フレキソ印刷(※1)を用いて製品包装箱などの紙器へ直接印刷する技術を開発した。2010年度内に本技術の検証を終了し、2011年4月からの量産開始を目指す。
これまで紙器向けにICタグを利用する場合は、エッチング(※2)もしくはスクリーン印刷(※3)等の製法で、PETフィルムなどの表面にアンテナを形成。その上にICチップを実装した、インレットと呼ばれるパーツを製造し、別工程でラベル加工し、紙器へ取り付ける作業が必要とされた。
今回開発した紙器へのソースタギング(※4)技術は、紙器を印刷する際の一般的な手法であるフレキソ印刷を用い、印刷機側の条件の最適化とインクの組成の最適化により、印刷時にUHF帯ICタグ用のアンテナを同時に形成することを可能にした。これにより、従来手法と比較し、加工・取り付けの手間やコストを大幅に削減することができる。
※1 フレキソ印刷
ゴム版または感光性樹脂版を用いた印刷で、ダンボール印刷、紙器印刷など大量生産に向いた印刷手法
※2 エッチング
腐食ともいう。塩化鉄、塩化銅などの液を用いてアンテナ部以外を溶液させる方法で、現在のICタグアンテナの主要な製造方法
※3 スクリーン印刷
版にインキを付着させるのではなく、版そのものに穴をあけて、そこからインキを浸透させてインキを付着させる方式で、紙以外にも布、金属、プリント配線、電気部品など幅広い分野で使われている
※4 ソースタギング
メーカーが製品製造段階で、ICタグを商品やパッケージに取り付けておくこと。
製造ラインにおいてICタグを張り付けるほうが、流通途中で張り付けるよりも、張り付けコストを抑えられる。
※ 製品名および会社名は、各社の商標または登録商標です
投稿者:gotsuat 09:40| 流通